住宅雑誌Replan（リプラン）

道産材をふんだんに使い隅々までこだわったまさに「注文住宅」

無垢材の風合いが空間を彩る
木のプロ同士のコラボレーション

東神楽町・Ｙさん宅／本人20代
設計・施工／（株）藤井光雄工務店(藤井工務店)

　10代の頃から家を建てる準備をしてきた家具職人のＹさん。念願叶って27歳の若さでそれが実現しました。家具を納品した家の隣は藤井工務店が手がけた家。気になってウェブサイトを見たところ「ビビッときた」というＹさん。天然木など自然素材を使う家づくりに共感し、お願いすることになりました。
　「仕事柄、木のことはよく分かっていますので、藤井さんとは木のプロ同士としての共通点が多かったんです。感性も近いので自分の思うことがすんなりと伝わり、その上で遊び心のある提案をしてくれました」
　今回はなるべく道産材を使用。特に構造材はすべて美瑛産カラマツの無垢材を使いました。床はＹさんが好きだというタモの無垢材。それに合わせ、タモをメインにＹさん自身が家具やキッチン、収納などを造作しています。「タモは木目が和風的で、どういう形にしても目がうるさくない。馴染みのよい木なんです。無垢材を使うことは経年経過による反りや割れなども生じますが、それも味」とプロならではの視点で素材選びをしています。今回の家づくりは家具職人としても勉強になったとか。自ら家具をつくるというケースは稀ですが、希望の家を手に入れるために積極的に家づくりに参加するのは、とても大切なこと。それでこそ「注文住宅」の醍醐味だといえるのではないでしょうか。

写真提供／(株)藤井光雄工務店 (藤井工務店)