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外観。一見すると昔の「網元の家」ながら、高気密・高断熱の最新機能を備えている。
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「築70年の
網元の家」 を現代に再生 |
歳月の温もりを今に伝え、蘇らせる匠の技
「古材を生かした家づくり」は、そのまま武部建設の経営理念につながると武部豊樹社長は語ります。「日本には、2000年以上続く木造建築の歴史があります。そこで受け継がれてきた技術や知恵を継承していくことは、家づくりにとって非常に大切なこと。新しいものをただ大量に生産していくのではなく、従来あるものの良さを認め、壊すことよりも『生かすこと』を考える。何よりも古材には、長い年月をかけなければ培われない温もりがあります。古材をうまく取り込んで新しく生まれ変わらせることができれば、その住宅は、現代的な機能を持ちながらも、心と肌に馴染む家になるんです」。こうした武部社長の思いは、次にご紹介する住宅にもはっきりと継がれています。 森町にあるNさん宅は築70年以上のもと網元の家。増築と改築を繰り返してきましたが、年々寒くなることから一旦は建て替えを決意しました。そんなとき、健康維持のために毎日廊下を歩いていたおじいちゃんが「この廊下もなくなってしまうんだな」と呟くのを聞き、息子のNさんも考えを変え、インターネットを通じて武部建設に出会いました。そして、今までの建て増し部分を撤去して外観のイメージを統一。既存の家の良い部分を生かしつつ、高気密・高断熱の住宅に生まれ変わりました。 |
欄間の透かし彫りも風趣に富んだ座敷は、まさに日本の味わい。
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古材の良さを生かし、壁内部の断熱を全面改修。
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純日本風の広い玄関。
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茶の間。囲炉裏は、約90年前のタモの古材でつくったもの。
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広縁の掛込み天井も美しい。
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おじいちゃんがどうしても残したかったという、日当たりのいい広縁。
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居間より見るキッチン(右)と収納。
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ゲストルーム。
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網元の家という堂々とした雰囲気をそのままに、既存を生かして改修された玄関。軒下まわりは、手がこんでいる。
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下見板張りの外壁と広縁。
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土蔵。
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ぬれ縁。
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■大工棟梁/岩本 隆
■建築データ 構造規模/木造・平屋建て 延床面積/183.3m2(約55坪) <外部仕上げ> 屋根/カラー鉄板横葺 外壁/下見板貼(一部モルタル金ゴテ仕上) 建具/玄関ドア:断熱玄関引戸、窓:断熱ウィンドウ(複層ガラス) <特徴的な内部仕上げ> 床/杉縁甲板(ヒバ縁甲板) 壁/プラスターボード、珪藻土仕上 天井/杉板(一部コンパウンド仕上) <断熱仕様> 基礎/FP板(B3)75mm 床下/防湿土間コンクリート+防湿シート0.2mm 壁/グラスウール細繊維Po16kg100mm 天井/グラスウールブローイング(Sブロー)18kg300mm ■工事期間/平成13年6月〜10月(約5ヵ月) |
前回ご紹介の家はこちらです |
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