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全面に断熱サイディングを張ったリフォーム後の外観。写真右手玄関の上が増築された2階部分。
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求めていたのは適度な距離感
ライフスタイルを尊重する
完全2世帯へのリフォーム
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娘さん一家との同居が決まったAさん。広い床面積を生かし、子世帯用に1階の一部改修と2階の増築工事を行いました。33年前に秋田の大工さんが建てたという住宅は、随所に見事な細工が見られ、ゆったりと贅沢な造りですが、寒くなってきたため、家全体の断熱性能を高める必要がありました。そこで増築部分はもちろん、既存の床や天井にも全面に断熱材を施工し、外壁はすべて断熱サイディング張りにするなどの改修が行われました。 またプランニングは、それぞれの世帯を1〜2階と上下に分けるのではなく、玄関・階段・設備まで全てを別々に設けた隣り合わせの縦割り2世帯のスタイル。中庭だった部分を親世帯のリビングにしたことで、両家のLDKを1階に配置することができ、上下階での音の問題も気にすることはありません。さらに、増築した2階には屋根の勾配を利用してロフトを造作。開放的で明るい空間が誕生しました。 こうして出来上がったAさんのお宅は、同居というより隣居。べったりと一緒にいるのではなく、互いが独立した生活をしながらも、同じ屋根の下に家族がいるという安心感をもたらしてくれるそうです。 |
POINT1:2世帯住宅 ライフスタイルが違っても、お互いに気兼ねなく生活できるよう、玄関・LDK・階段・設備など全てを世帯ごとに設置。1〜2階両方に出入り口を設けることで、行き来は通常の2世帯住宅よりも簡便になっています。 POINT2:空間の利用 増築した2階には、屋根勾配を利用してロフトを造作。限られたスペースながら、仕切りを全く設けないことで、開放感もたっぷり。デッドスペースになりがちな隙間の空間も収納として上手に生かされています。 POINT3:断熱改修 増築部の壁にはグラスウールを充填。既存部分も含め、床下にはグラスウールとスタイロフォームを施工し、小屋裏はブローイング吹き込み。外壁は全面に断熱サイディングを張り、寒さを解決しました。 |
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明るく、陽がたっぷり入るリビング。「できるだけ仕切らない家に」というアイデアが効果を発揮し、ストーブ1台でも2階まで十分暖かい。 |
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オープンな2階。屋根の勾配を利用してつくられたロフトは収納兼子どもたちの隠れ家に。 |
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リビングから上る階段は子どもたちの格好の遊び場。可愛らしい小物が飾られたニッチがリビングのアクセントに。 |
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娘さんの希望だった対面キッチン。 |
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もともと中庭だったスペースをお母さんのリビングに。手の込んだ天井や下がり壁は思い出として残されている。 |
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子世帯側の浴室。 |
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子世帯側に新設した玄関。解体時に出た廃材も腰壁として活用。
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前回ご紹介の家はこちらです |
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