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リフォーム事例:暮らし上手さん
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キッチンをリノベート!

引き算の美学が輝く
わが家仕様のキッチン

■札幌市中央区 Tさん宅
■設計施工/一級建築士事務所 m+o エム・アンド・オー
TEL:011-623-5182
HP:http://www.mando.jp
E-mail:[email protected]

 昨年10月、築25年のマンションを購入し、今年春にリノベーションを行ったTさん夫妻。1ヵ月半にわたる工事では、構造壁のみを残し、大々的に約78平米の空間を丸ごと一新。その新居は玄関、LDK、寝室が造作本棚で緩やかに仕切られ、ニューヨーク・ソーホー地区のロフトのよう。生活感のないモダンな空間の中で、ひときわ目を引くのが引き算の潔さ、美学を漂わせるキッチンである。
 配管がすべてむき出しになった4畳半ほどの空間には、無機質なステンレスを多用した特注のシンクと作業台、コンロがL字型にレイアウトされている。床はコンクリートの金ごて仕上げ。収納は、ワイヤースチールのワゴンとラックがあるだけ。食器洗浄機もない。
 「開放的な分、過剰に家庭的な匂いがしないよう、デザインの美しさに留意しました。収納は一見便利なようで、家事の手間を増やす厄介な存在と考え、日常のメンテナンスをシンプルにするために、あえて設けないことを選択しました」と奥さん。

 設計は、住宅や店舗のリノベーションも多く手がけている大塚達也さんと湊谷みち代さんが担当。過去の仕事をさまざまな媒体で調べ、依頼を決めた。プランづくりでは、夫妻の生活イメージが明確だったためスムーズに進んだという。  「配管、排気ダクトは既存のものが生かせましたので、新たな配管を加えて現しで処理し、空間のアクセントにしました。もともとあるものを効果的に見せることで、新築にはない、この建物ならではの強さ、美しさを十分に表現できたと思います」と大塚さん。
 夫妻の新生活も、キッチンが中心だ。夕食はビールを飲みつつ、その日の出来事を語り合うのが日課だという。
 「無駄のないデザインは、美しいだけではなく無駄な動きも省くんですね。さまざまに変えられる余地を十分に残したキッチンですから、ライフスタイルや好みの変化で、また手を加えることもあるでしょう。気軽に変えていけることもまた、リノベーションの魅力だと思います」。

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