住宅雑誌Replan（リプラン）

リフォームか、新築か

　どこか懐かしい三角屋根の小さな家。Wさんの住まいはなんと築45年。14年前に中古で購入し、老朽化からくる寒さ、お子さんたちが大きくなるにつれて実感する手狭さに悩んでいました。
　「今の状況をなんとかしたい」と相談をしたのは、地元で評判の高いアクト建築工房。しかし、この築年数でリフォームができるのか不安だったといいます。
　「もちろん築年数は古いですが、ディテールがとても美しくて可愛らしい。調べてみると、きちんと設計事務所がデザインした住宅だったんです」と担当の澤田さん。約半世紀近い住まいを「生かす」リフォームが始まりました。

既存建物を生かし、再生

　一番の悩みだった寒さと狭さを解決するため、スケルトン状態まで建物を戻し、基礎の追加や梁の掛け替え、断熱の入れ直しを実施。1階はLDKと2つの和室でしたが、間仕切りを取り除いて1室空間のLDKへと拡張。天井も可能な限り上げ、開放的なLDKを実現しています。レンガを再利用した広い土間にはベンチを置き、半屋外的な雰囲気に仕上げています。プライベートスペースとなる2階は小屋裏部分まで使うことで、3つの居室をつくることができました。「あの寒かった家がこんなに暖かくなったことが信じられないですね（笑）」と奥さん。
　使える素材やデザインを生かしつつ、生まれ変わったわが家に、これからも家族の思い出が刻まれます 。