「感性を高めあえる、至上のパートナーと出会えました」
完成したアートが香る空間は、
安らぎと心地よい緊張感に満ちて
■S邸 札幌市・夫婦60代
■施工/(有)脇坂工務店
■設計管理/米光一級建築士事務所
■ライティングデザイン/(株)ファシオネ
HP:http://www.wakisaka-eo.com/
フリーダイアル:0120-711-525
TEL:011-785-2088
今回の事例は、リプラン北海道 Vol.91に掲載しております。
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愛する作品たちが自然と日常に溶け込む空間を
生活空間に彩りを添える数々のアート作品。長年にわたりコレクションしてきた絵画や版画、彫刻が飾られ、日々、呼吸をするように、ごく当たり前にアートと接することをリフォームのコンセプトに取り入れたSさん。これは今回のリフォームの柱ともなった要素の一つで、これまでも海外の一流ホテルに滞在してきたSさんにとって重要なポイントでした。生活感を漂わせることなく、それでいて居住空間として落ち着けることを前提とし、加えて心地よい緊張感も必要。ともすれば相反する要望のようにも思えます。しかし、それを見事に具現化したのが建築家の米光研さんでした。
Sさんは、旧知の仲で「この人なら」と、絶大な信頼を置いている脇坂肇社長が進めるネオデザインに共感。今後の活躍がますます楽しみな、若手や中堅の建築家と脇坂工務店がコラボレーションする建築スタイルに、夢を託しました。紹介された米光さんとは、初対面の瞬間から息が合うことを確信したといいます。これも脇坂社長が施主の志向やバックグラウンドなど、かなりセンシティブな部分までさりげなく踏み込み、感性の合う組み合わせかどうかを熟慮しているからでしょう。
天然木に癒され憩いつつ、刺激ある場に
重要視した次の要素としては、入院中のお年寄りが気持ちよく過ごせること。Sさん自身は団塊の世代であることから、すっかり洋風のライフスタイルが身に付いていますが、Sさんより上の世代は、やはり日本人ならではの畳の生活に慣れ親しんでもいます。そこでLDKの雰囲気と溶け込みながらも落ち着く空間をと、モダンな和室を準備。単にデザイン面に配慮しただけでなく、車イスでも移動しやすいよう琉球畳を床材で囲んでいます。ホームエレベーターの設置や、介護も可能な広いトイレなど、随所に配慮がなされ、優しい気持ちが反映されているのも特徴的です。
また、3つめの要素として素材の使い方にもこだわりが。天然木を使いたいという要望を受け、木目のナチュラルな風合いや温かみあふれる質感を表現しました。もちろん、「アートの似合う空間」という要素を踏まえ、天然木と珪藻土の壁とのバランスも緻密に計算。米光さんのセンスによって、癒されつつも刺激ある空間が見事に仕上がりました。
「例えば、和室に座っている時のダイニングとキッチンの見え方とか、細部まで絶妙に計算されている。だからこそ日常の心地よさがあるんでしょうね」と、Sさんもその仕上がりを絶賛。
建築家も、アーティストであるSさんも、お互いに感性の問われるポジション。その鋭い感性がぶつかり合うことなく、Sさんが思い描いた以上に完成度の高いフルリフォームとなりました。
設計者からの一言 米光 研
①外観は風水上の観点からもすっきりとした形にしたい。②キッチンはアイランド型にして主婦の家事スペースを明るく。③所有するアート作品を飾ることを念頭に置く。④4匹の猫が快適に暮らせるように。⑤ホテルのように緊張感と安堵感の同居する空間。
これらを具体化するために、素材選びとその調和、部屋同士のつながり具合の強弱、人の視線と気持ちの高揚と安らぎ、といったことに配慮しながら丁寧に設計を進めました。ライティングデザインは登氏に依頼し、照明器具はすべて東芝ライテック製のLED電球を採用。生活とアートの背景となる照明計画で、さらに空間の質を高めています。
竣工後訪れた昼下がり、施主にはお褒めの言葉をいただきましたが、陽だまりの中、猫がゆったりと眠る姿、階段を駆け下り、途中の覗き窓で外を眺める様子を見て、「自分の役目を果たすことができた」と実感しました。
今回の事例は、リプラン北海道 Vol.91に掲載しております。
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■S邸 札幌市・夫婦60代
■施工/(有)脇坂工務店
■設計管理/米光一級建築士事務所
■ライティングデザイン/(株)ファシオネ
HP:http://www.wakisaka-eo.com/
フリーダイアル:0120-711-525
TEL:011-785-2088