石巻漁港のほど近くに建っていたTさん宅は、東日本大震災の津波で1階の天井まで浸水。震災後は借り上げ住宅で暮らしていましたが、このたび内陸に土地を求め、新たな住まいを建築しました。「実は前の家も13年ほど前に高橋工務店で建てたんです。頑丈な造りだったので、周りの家が3〜4軒流されてぶつかってきてもビクともしなかったんですよ」というご夫妻の言葉に、再び同社へ依頼した理由をうかがい知ることができます。
家全体を外側から断熱し、太陽や風の力を利用して構造躯体内に空気を循環させる「エアサイクル工法」を手がけて30年になる高橋工務店。Tさん宅では以前の住まい同様、新居でも同工法を採用しました。そのメリットは、夏涼しく冬暖かい住空間を実現できる点にあります。「高齢の両親のために、今回もぜひ取り入れたかった」と語るご主人。その住宅性能があるからこそ、開放的なリビング一帯を高性能なヒートポンプ式エアコン1台で暖房が可能。最低気温が氷点下となったこの日、室内は十分な暖かさを保っていたように、その効果は歴然です。
ご両親への配慮は間取りにも。1階は完全バリアフリーとしキッチンには安全性からIHクッキングヒーターを採用、寝室はトイレのそばに、なおかつリビングやキッチンからも目が届くよう配置されています。LDKにはクルミ、スギ、ヒノキ、アカマツなど多種多様な木をふんだんに使用。五感で心地よさを感じられる空間となりました。大窓からさんさんと陽光が射し込む暖かなリビングで、ゆったりとくつろぐご両親。その姿を見守るご夫妻の優しい眼差しに、満足度の高さが現れています。
■石巻市・Tさん宅
■家族構成/夫婦50代、子ども1人、両親
■設計・施工/(株)高橋工務店
■構造規模
木造(フクビ エアサイクルFACT工法)・2階建て
延床面積/147.86㎡(約44坪)
■主な外部仕上げ
屋根/軽量瓦
外壁/サイディング
建具/玄関ドア:アルミ樹脂製断熱ドア
窓:アルミ樹脂複合サッシ(Low-E・ペアガラス)
■主な内部仕上げ
床/クルミ無垢フローリング
壁/クロス仕上
天井/クロス仕上 一部スギ板張
■断熱仕様〈充填断熱〉
基礎・壁/発泡ポリスチレン50㎜
床下/高性能押出発泡ポリスチレンフォーム45㎜
屋根/硬質ウレタンフォーム70㎜
■暖房方式
ヒートポンプ式エアコン
快適な温熱環境と強い耐震強度を叶える「エアサイクル工法」を軸に、木を多用した心地よい住まいづくりに取り組んでおります。一本一本にまでこだわり、耐久性を高めるために自社の資材置き場で乾燥した木材を使用。建具や収納家具なども住まいに合わせて自社制作いたします。また、修理やメンテナンスの回数を極力減らす工夫にも努め、長く安心してお住まいいただける家をご提案いたします。